塗装後のブリード現象が起きてしまう原因と対策方法
投稿日:2023年1月30日 更新日:2023年1月31日
コーキングは建物の隙間を塞ぐ充填材でして、防水性や気密性を向上させる目的があります。コーキングのことをシーリングとも呼び、よく塗装と一緒にコーキングもメンテナンスをします。
コーキングにも正しい材料選び、施工方法があります。誤った方法で工事をしてしまうと「ブリード」という現象が発生してしまいます。
ブリード現象が発生してしまうとコーキングや塗装をやり直さなければいけなくなってしまいますので、ぜひここでご紹介する内容を押さえておいてください!
【ブリード現象とはどんな現象か?発生する原因】
ブリード現象とはサイディングの目地コーキングやモルタル外壁のひび割れを補修したコーキングがベタつき、変色する現象のことです。
ブリード現象が現れてくるのは、工事後の1〜2年ほど経過したころです。ブリード現象が現れると塗装やコーキングの状態、性能が悪くなり、劣化を早めます。コーキングと塗料が反応してグレーっぽく変色して、ミミズ跡のように浮き出てくるため、見栄えも悪くなります。
【ブリード現象が起きる原因はコーキングに含まれる可塑剤】
ブリード現象の原因は、コーキングに含まれている可塑剤です。
可塑剤とは柔軟性を与える添加物でして、コーキングの他に輪ゴムや散水ホース、消しゴムなど私たちの生活に馴染みのあるものにも使用されています。コーキングはゴムのように弾力性があり、この性質によりサイディングの緩衝材として目地に充填されています。その他にも開口部や取り合い部など防水の目的でも使用されています。
ブリード現象が起こってしまうのは、可塑剤が溶けて表面に滲み、塗装と反応してしまうからです。現在ではノンブリードタイプのコーキングが主流になっていますが、昔のコーキングだと可塑剤が含まれているため、塗料との相性が悪いとブリード現象が起こります。
ブリード現象が起きるとコーキングや塗装の性能が低下して工事をやり直す必要があります。コーキングをすべて撤去してから塗装をし直すことになりますので、コストと時間が無駄になってしまいます。
劣化症状についてはこちらの「こんな症状には要注意」をご覧ください。
【ブリード現象によって発生する2つの損失】
ブリード現象を起こすことによって以下の損失を受けます。
・建物の美観性が損なわれる
・塗装とコーキングの耐久性が悪くなる
【建物の美観性が損なわれる】
ブリード現象が起きるとグレーっぽく変色して建物の見栄えを悪くします。それが工事をしてから1〜2年で現れてしまうのですから、せっかく工事をしたのに残念な気持ちなってしまいますよね。
ホワイト色の外壁は変色がかなり目立ち美観性が損なわれます。また、ブラック色の外壁でもホワイト色ほどではありませんが、色ムラがでてきます。
【塗装とコーキングの耐久性が悪くなる】
ブリード現象はコーキングと塗料の性質を変えるため、本来ある性能が発揮されなくなります。コーキングの耐用年数は5〜10年ほど、塗装は10年ほどが耐用年数の目安ですが、ブリード現象を起こしていると通常よりも早くに劣化が現れる可能性があります。
劣化したまま放置すれば、その分だけ建物の状態も悪くなります。ブリード現象は1〜2年ころに現れ、劣化を放置しておく損失を考えると早めに対処する必要があります。工事をしてたった1〜2年で工事を考えなければいけないなんてことは、絶対に避けたいですよね。
【ブリード現象を防ぐ対策】
ブリード現象を起こしてしまうと余計な出費と時間が奪われてしまいますから、ブリード現象が起こらないように対策することが大切です。
ブリード現象を防ぐには、
・ノンブリードタイプのコーキングを使う
・専用のプライマーを塗る
などがあります。
ノンブリードタイプは頭文字をとってNBとも呼ばれています。ノンブリードタイプのコーキングは可塑剤移行が起こりにくく、ブリード現象を抑制します。可塑剤移行とは、可塑剤が他の素材に移り、劣化や不具合を起こしてしまう現象のことです。
当社が扱っている「オートンイクシード」もノンブリードタイプですので、コーキング工事をお考えの方はぜひご検討してみてください。
詳しくはこちらの「オートンイクシード」をご覧ください。
昔に施工されたコーキングに可塑剤が含まれている場合は、専用プライマーを塗布することでブリード現象が起きにくくなります。専用プライマーは、逆プライマーやブリードオフプライマーがあり、バリヤープライマーとも呼ばれています。可塑剤を含んでいるコーキングの上にプライマーを塗ることで、可塑剤が滲み出てくるの防ぎ、変色やベタつきを抑えることができます。
コーキング工事についてはこちらの「外壁塗装の時にコーキング工事は必要?メンテナンスが必要な理由と注意点」をご覧ください。
【ブリード現象が発生したら塗装し直し!確認は念入りに!】
ここまでブリード現象についてお伝えしてきました。もし、ブリード現象が起きてしまったら塗装やコーキングをやり直さなければいけません。それも1〜2年のうちに現れてくるため、早いうちに対処する必要が出てきます。
かなりの労力を奪われてしまいますから、ちゃんとブリード現象について知識を持っている業者に工事をご依頼ください。劣化を早めることは建物の状態にも悪影響を与え、放っておく期間が長いほど建物の寿命を縮めてしまう恐れがあります。
ブリード現象を防ぐには、ノンブリードタイプのコーキングを使うか、専用のプライマーで下塗りをしておく対応が必要です。工事をして早々に工事をし直さなければいけないなんてことを防ぐためにも「見積もりの確認」と「工事について業者から詳しく説明をしてもらう」の2点を徹底しましょう!
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